ゴルフにまつわる面白い記事を見つけました。
書いたのは経済学者の大竹文雄氏です。
ゴルフと損失回避行動の関係
なんでもプロゴルファーは「バーディパットの成功率が、パーパットの成功率よりも低い」という分析がなされたとのこと。
実は、勝負の世界に生きているトッププロ選手にも損失回避行動が観測されるということを明らかにした研究がある。
Pope & Schweitzer (2011)は、アメリカのプロゴルファーのデータを使って、その存在を明らかにした。
ゴルフで損失といえば、パーを取れなかったことがあてはまる。
プロゴルファーは、パーを取れなくなることを極端に嫌って、パーパットに集中する度合いが、バーディパットに集中する度合いよりも高い。
実際、グリーン上でのホールからボールまでの距離が同じ場合でも、バーディパットの成功率はパーパットの成功率よりも低いことが統計分析で明らかにされているのだ。(大竹文雄:「経済脳を鍛える」より)
そもそも損失回避行動とは
損失回避行動
人間は得る喜びより失う苦痛の方が大きく感じるため、苦痛を恐れ回避しようとする。
保有効果。
人間が保有しているものの価値を高く見積もること。手放すことに抵抗を感じさせる効果。#オイコノミア— やよい♂ (@yayoi_march34) December 7, 2016
ギャンブルや株、FX等の投資をしている人にはお馴染みのワードですかね。
競馬をするギャンブラーには「1万円負け位までなら楽しんだし勝ったも同然」みたいな事を言うヤベー奴もいますが、そんな人も損失を認められない重症患者なんでしょうね…
ダニエルカーネマンによると我々投資家は収益よりも損失の方に敏感に反応してしまう生き物。
利益は損失回避的に利確し、損失に振れると取り戻そうと更に大きなリスクをとるような判断思考になる。
競馬などで1日大きく負けると、最後にその日の勝ちを
取ろうと大勝負にでることに近いかもしれません— MASAru (@idu8922) October 27, 2019
相場だと、「損をしたくない」「確定損を出したくない」という感情から出る目先の損失回避行動こそが、一番の回り道で、もっとも利益から遠ざかっていると気がつきました。
しかしその感情を制するのも容易ではなくww— あんず (@anzu_sakura) October 7, 2019
アマチュアでもプロでもパーパットを外す方が精神的ダメージは大きいって話
確かにパーパットよりバーディーパットの方が若干「外れてもいいや、2パットでパーだし」…っていう感覚はある。
ただ、その思考によって緊張感が和らいでスムーズなパッティングができるんじゃないか、とも思うんだけど統計的にはそうじゃないのかな…
人間、追い込まれた方が火事場の馬鹿力を発揮するってことか…
冷静に考えればバーディーパットもパーパットも「同じ一打」なんだから同等の集中力でプレーしなければいけないはずなんだけど、ボギーになる損失回避に働く力の方が外れても損にはならないって思うバーディーパットに勝るんだね。
でも人間である限り、そんな風に簡単に割り切れないから面白いって話で。
しかし次のラウンドからはバーディーパットを「パーパット」だと思い込んでパッティングしてみよう。
私の場合、まずはパーオンするところから始めないとダメだが…
ティーショットも、OB後の打ち直しって想定してプレッシャーをかけた方がいいのかな…
そんなのゴルファーの性格次第って話ですね。
バーディパットの方がパーパットよりもショートしやすい?
もうひとつ興味深いデータが…
バーディパットでは、パーパットに比べて、ホールまでの距離より長いパットではなく、短いパット(ショート)を打ってしまうというミスをしがちであるということだ。通常、短めのパットを打つというのは、安全策だと考えられている。
バーディパットでは安全策を取りやすいというのは、利得局面ではギャンブルをしないけれど、損失局面ではギャンブルをしがちになるという損失回避行動と整合的である。(大竹文雄:「経済脳を鍛える」より)
なるほど…
パーパットの方が「ボギーと言う損をしたくない!」という気持ちが強く働いて、オーバーしやすいってことか。
バーディーパットがショートしやすいなら、そりゃカップインする確率もパーパットより悪くなるのも必然…
じゃあ、次からのバーディーパットは強めでいきます 😀
この投稿をInstagramで見る